就職活動でいきなり職種を選べと言われても困りますよね
特に理系職は、色々職種が多いです
色々な職種の中で、設計開発職と研究職って何となく違いはイメージ出来るけど、
具体的にどう違うの?
どっちが自分に合っているの?
そんな悩みを解消する為に以下をご紹介します
- 設計開発職とは
- 設計開発職に求められる能力
- 設計開発職のキャリアパス
- 研究職とは
- 研究職に求められる能力
- 研究職のキャリアパス
設計開発職とは
ほとんどのメーカーにある職種で、名前は違えど「製品を設計・開発する職です」
実は設計と開発は違うのですが、まとめてる会社が多い印象です
設計は、メーカが売り出す製品があって、その製品を図面に落とし込む役割になります
開発は、設計が作成した図面を読み、実際に効率的に製品を作るにはどうしたら良いか考え、工場の生産側に伝える役割になります
※会社によりますが、開発のことは開発と言わずに、生産技術と言っている会社もあります
図で表現すると以下のようになります
設計開発は製造に行く前の段階に位置していますね
イメージしやすいように例を挙げます
コップを作ることを考えます
オシャレなアルミのコップにしましょう
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コップ1つにしても「どんな大きさにするのか」「取っ手は付けるのか」「表面処理はどうするのか」等々、色々な種類があるはずです
この辺のことは他の部署(商品企画)が市場の需要を鑑み「このくらいの大きさで取っ手はつけないで、表面処理は○○」みたいに出してくれます
設計は仕様をどう実現するのか考えるのが役割です
「コップの厚さは2㎜にすれば強度上問題なく、飲み口は角がないように曲面にする」
「アルミの表面処理は○○とxxがあって、コスト的にxxにしよう」等々
これらの指示を図面に書き込みます
そして、この図面が開発側に渡ります
「製品を生産する機械は-0.5mmの誤差が出るので、設計の図面は生産上は+0.5mmにしないと生産できないな」
「工場の機械が製作できるコップの大きさの上限は直径150mmだから、もう少し小さくしないと無理だな。設計に言おう」等々
実際にコップの製作をどうしたら実現できるか、設計の図面を製作用に書き換えます
つまり開発の仕事は実際に製作する際の図面に書き換えることです
まとめます
設計は製品の仕様をどう実現するか考え図面に落とし込む仕事
開発は設計の図面を受け取り、製作する際の図面に書き換える仕事
設計開発職に求められる能力
基本的な算数
算数?となるかもしれませんが、仕事で大学受験や大学の時の数学はほぼ使いません
足し算、引き算、掛け算、割り算、時々三角関数が出来れば理系の職種であっても問題ありません
もちろん、時々大学で習うようなことも出てきますが知ってたら良いなというレベルです
図面を読む・描く能力
設計開発職であれば図面を読み取る能力と描く能力が必要です
出来なくても心配ご無用
大手メーカーであれば教育で練習することになります
私も大学の時にちょっとやっただけなので心配でしたが、半年ほどの新人教育を受けることで習得しました
また、大手メーカーであれば図面を描くのは外部発注することが多いので複雑なものは書けなくてもOKだったりします
ただ、外部発注先から納入された図面はしっかり確認する必要があるので、図面を読み取れるスキルは必要です
最近では3D設計が主流なので、図面というより3Dモデルを見ることが多いと思います
これも3Dモデルを作るのは外部発注することが多いので、3Dモデルをクルクルと回せたり断面を切ったりするスキルは必要です
英語力
最近のどんな職種であれ求められますが、出来て損はない英語
大手メーカーであれば図面を描くことを外部発注していることが多く海外の子会社の場合があります
また、海外向けの製品を作っている場合は、製品の仕様が英語なので英語が読めないと仕様が読み取れません
理系の場合、まだまだ英語に苦手意識がある人が多いので英語が出来ると凄い得です
就職する前に身につけておきましょう
他部署との折衝力
これはどんな職種にも必要ですが、設計開発職は折衝力が重要になってきます
設計開発側の図面が設計開発側だけの要望を織り込んだものであると、製品を作る側も上手く製作できずに困ってしまいます
製品を作る側が上手くやってくれる場合もありますが、設計開発側の意図しない変更を勝手にしている場合もあり不具合に繋がります
大手メーカーでも時々不具合騒動がありますが、あれは設計開発側と製造側の意思疎通が上手くいってないことが原因でしょう
設計開発側の図面は自分勝手に描けるものではなく、製造側の要求も入れないといけません
その際に、設計開発側の要望だけを伝えていては「まともな製品は作れません」
しっかり、製造側の要求も反映させないといけません
ここで製造側の要求だけを反映すると「製造する際の楽さだけ追求した、魅了がない商品」が出来上がる可能性があります
したがって、良い製品を作るには設計開発側の要求と製造側の要求を上手く織り込む折衝力がカギになります
設計開発職のキャリアパス
製品の設計開発→製造→出荷のサイクルは製品ごとに違いますが、入社~10年程度はこのサイクルを繰り返すことになります
基本的には1つの製品でも部位ごとに設計開発グループがあり、入社~10年程度は製品は同じでも担当する部位が違うということがあり得るでしょう
ある程度製品の各部位の設計開発を担当すると、大手メーカーであれば人をマネイジメントする管理職に行くか、技術的に突き詰める方に行くか選ばせられると思います
管理職の方が出世コースの場合が多く、上手くいけば部長→本部長→事業部長のように出世するかもしれません
一方で課長止まりで、ずっと課長みたいな人もいます
技術的に突き詰めていくと、その道の専門家のような形で社内からは重宝されます
ただ、そこまでという形が多くそれ以上出世する人はあまりいないでしょう
研究職とは
大学での研究の延長線をイメージするかもしれませんが少し違います
企業は利益を出すために存在するので、大学のように好きな研究をすることはあまり出来ないと考えて良いでしょう
つまり企業が製造している商品に関連した研究を基本的に行うことになります
化粧品のメーカーであれば、どうやったら肌になじむ化粧品を作ることが出来るのか・敏感肌用の化粧品はどうしたら製造できるのか・保湿性を高める化粧水の研究 etc.
このように製品に関係してしかも利益を生むであろう研究に従事することになります
他職との関わりは以下のようになります
研究は多岐にわたるので、設計開発に役立つ研究の事もあれば、製造に役立つ研究の場合もあります
まったく今の設計開発や製造に役に立たずに、10年・20年先を見据えて行う研究もあります
研究職に求められる能力
専門知識
研究には専門知識が必要です
どこまで必要かというと、大学教授レベルは必要ないと思いますが、論文を読めて理解できる程度の知識は必要だと思います
こちらも基本的には会社に入った後にも習得できると思いますが、ある程度の知識は必要でしょう
スケジュール管理能力
どの職業にも必要ですが、大学の時のようにのんびりと研究することは企業では出来ません
基本的に、研究のテーマには予算と期限が割り当てられており、「いついつまでに○○という結果を出したい」という予定が決まっています
したがってスケジュール管理が重要になってきます
この時期にはこれを終らせないといけないから、今はこれをやる!
といったように自ら計画を立てないといけません
初めはプレッシャーを感じるかもしれないので大変かもしれません
英語力
どの職種でも必要ですが、研究職の場合、論文を読むことになります
日本語の論文しか読めないと、日本の研究状況しか分からないので、基本的に海外の論文も読む必要があります
したがって、論文を読めるほどの英語力は必要です
他部署との折衝力
設計開発職よりは必要ないと思いますが、他部署の業務改善の為に行う研究もある為、他部署とのやり取りは必ず必要です
他部署の状況や課題を理解して、どのような解決策を提供できるのかも研究職の仕事の1つです
研究職のキャリアパス
研究職の場合、入社~10年程度は会社からいくつかの研究テーマを与えられてそれを行うことになると思います
研究テーマは製品の課題に直結している場合も多く、その場合は他部署との連携が不可欠になります
10年以上経つと大手メーカーであれば管理職に打診されると思います
もちろん管理職になるかは自由ですが、人のマネイジメントが主たる仕事になると思うので、好きな研究に没頭することは出来ないでしょう
その後、出世する人は出世していきますが、残りの人々は設計開発職に異動する方も結構多い印象です
まとめ
設計開発職か研究職
どちらがあなたに合いそうでしょうか
別に一生同じ職業である必要はないと思うので、自分が得意そうな職種を選ぶと良いと思います
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